1997.8.17 架空楽団 at SIBUYA クロコダイル架空楽団とは、ムーンライダーズとあがた森魚のみを演奏するという超こだわりコピーバンドで、 今年で結成19年目だという。毎年正月に拠点の岡山でライブをやっているのだが、今年は東京 渋谷にあるクロコダイルでのライブが決定した。東京はムーンライダーズのファンが最も多く 存在する地域。今年のライダーズのライブはほとんど期待できないので(^^;これは行くしかない でしょう。僕は青春18切符を片手に夏休みのうちだけ増発される深夜鈍行東京行きに乗って 行くことにした。16日23時5分岐阜発だ。その日は高校の先輩の誕生日でケーキを囲みながら 数人で飲んでました。そして「明日の始発で行けばいいじゃん」とか言われつつもその場を後にし 駅へ。ホームの人はまばらだった。「座っていけるかな」と思っていたが電車が到着すると愕然と してしまった。席は満杯、通路にも人が座り込んでいるという状況。お盆休みの最終日だ、当然かも しれない。僕は仕方なく扉の隅で座り込む事にした。立っている人もいたからラッキーな方だ。 酒を飲んでいたので電車の振動で気持ちが悪くなってきた(^^;。やばい。僕は扉に顔を付けて 必死に酔いを冷ました。こんな所で吐くわけにもいかない。一応酔いは冷ましたが停車する度に扉が 開く。寝れたものではない。まぁそんなこんなで5時に新橋駅に到着。友人と11時に待ち合わせを していたので、それまで時間を潰さなくてはいけない。僕が新橋駅に降りたのは東京の新名所 「お台場」に行くためだ。新交通「ゆりかもめ」の始発は6時。それまで駅でボーっとしていた。 始発の時間が近づくにつれてだんだん人が多くなってきた。そして駅のシャッターが開いた途端、 待っていた人達は我先にとホームに向かって走り出した。エスカレーターの下りを逆走している奴も いた。彼等は何故そんなに急ぐのだろう。 「ゆりかもめ」は車輪がタイヤだった。レインボーブリッジを渡るのでなるほど、夜は綺麗かも しれない。それにしても人が多い。フジテレビでイベントでもあるんだろうと思いお台場駅で 降りたが、降りた人は少なかった。6時過ぎにフジテレビ新社屋に着いても、開いてるわけがない。 僕は缶ジュースを飲みながら海に向かって歩いた。「お台場京浜公園」には家族連れや釣りを愉しむ 人達がいた。僕は体力回復と温存のために芝生で爆睡かました。小一時間して「寒いー」。浜の風に 当たりすぎたようだ。暖かい所で寝よう。僕は再び「ゆりかもめ」に乗り新橋へ戻った。 帰りの車内は人が少なかった。 待ち合わせにはまだ時間がある。僕は山手線に乗って再び爆睡かました。丁度一周したところで目が 覚めた。僕の斜め向に僕が乗る前から乗っていた女性が寝ていたのだが、僕が起きてもまだ寝ていた。 同じ様な人がいるんだな。渋谷に着いて友人に会う。彼女はチャットでいつもお世話になっている人 だ。初対面であったが「やぁ久しぶり」って感じだった。ライブが始まるまで渋谷界隈を探索し、 楽しい時間を過ごした。今日のライブにはMoonRiders Web Serverやニフティサーブで有名な方達が 一同に会するという。それもまた楽しみの一つだ。開場はフリーフード、フリードリンク制、 パーティ形式だ。一番前に陣取った僕等はあまり食事にはありつけなかったが、半分メンバーの つもりで観ることが出来た。 友人が会場の中にムーンライダーズのメンバーが居るのを見付けた。鈴木兄弟だ。自分達の コピーバンドのライブに観に来るなんて、架空楽団にしてみれば19年の賜物ですね。 「お父ちゃんカッコイイ!」メンバーの息子さんのかわいい一言から始まった。 第1部は初めて来た人のための未体験ゾーンだ。取っ付きやすい曲を立て続けに演奏。 1.シリコンボーイ 2.無防備都市 3.アルファビル メンバーは総勢14人。コーラス4人にホーンセクション3人が居るため、音に厚みがある。 司会進行はベース担当の石原さん。彼はあの近年希な名番組NHK「ソリトン SIDE−B」 を作り上げたプロデューサーでもあります。軽妙でマニアックなおしゃべりが良かったです。 4.地中海地方の天気予報 5.魅惑の港 「今から演奏する曲の作曲者が今日ここにみえてます」と言って始まったのが 6.プラトーの日々 7.バックシート そこで初めてかしぶち哲郎さんが居ることを知った。え?どこどこどこー。 ここからはあがた森魚コーナー。ボーカルの山田さんは声質的にはあがたさんの声にそっくり!。 本領発揮です。 8.まぶたと胸とで憶えている 9.サブマリン 声だけならずあがたさんの”壊れ方”まで忠実に再現!。まさに乗り移ったかのようでした。 10.ジャブアップファミリー 小休止を置いてアドベンチャーゾーン 11.Damn!MOONRIDERS 12.欲望 凄いと思ったのが、モニターTVに映し出される映像が1曲ごとに違うんですよ!。なかなか 凝ったことしてくれます。もはやコピーバンドの域を越えています。今でも目に焼き付いている のが「欲望」の映像。R指定です(^^)。 13.紅の翼 14.女友達(悲しきセクレタリー)〜 次の曲は慶一さんが「もう演らないから君達にあげる」とのたまわれたシロモノ。 15.ビューティーコンテスト 確かに何言ってるかわかんない曲ですね。本人は気に入ってないらしい(^^)。でもお客さん ちゃんと手拍子入れてくれましたヨ。再びあがたコーナー。 16.最后のダンスステップ まさかこの曲をやってくれるとは思わなかった。次は「日本少年」で僕が一番好きな曲。 17.山田長政 18.エアプレイン エアプレインは小劇をからめたロックオペラ?。 「次はゲストを紹介します。鈴木慶一さんです!。」待ってましたと会場が割れんばかりの歓声。 慶一「なんか聴いてたらおしりの辺りがムズムズしちゃってさぁ」 そうでしょうそうでしょう!。「唯一全部歌詞を覚えているのはこの曲なんだ」 19.VIDEO BOY(Vo.鈴木慶一) と言っても歌詞カード見てました(^^)。ちょっと替え歌してました。そしてこんな発言も 「もう1曲あげます。”何だ?この、ユーウツは!”私これ唄うと調子悪くなるんです。」 次回のライブまでに「ユーウツ」仕上げておいて下さいね(^^)。 エキサイティングゾーン ちょっとバラついてたけどこの曲をライブで聴けるとは思わなかった。 20.マニアの受難 21.バラと廃物 「次のゲストを紹介します。かしぶち哲郎さんです!。」ほとんど生で見れる事の少ないかしぶち さんなのでみんな大喜び。かしぶちさんは「じゃぁ私ドラムやりますから、あがた森魚バージョン で...」と言ったけどそうは問屋が卸さない。山田さんはマイクをかしぶちさんの方にセッティング。 「あれれ」といいつつもかしぶちさん叩き語りによる 22.リラのホテル(Vo.Dr.かしぶち哲郎) 「良明さんからワインを頂いてますので。敬意を込めて演奏します。」 23.春のナヌーク 「もう一人のゲスト。鈴木博文さんです!。」これはもう出なきゃしょうがないでしょう。 博文「僕が死んだら石原君、代わりにベース弾いてね。君が死んだら僕が架空楽団でベース 弾くから。」(場内爆笑) 24.大寒町(Vo.鈴木博文) 興奮冷めやらぬまま、消えた雷蔵の 25.ふらむきりんの校庭 26.トンピクレンっ子 石原さんがぶっ壊れながら唄ってくれました。 27.YBJ ギターの黒瀬さんはMRWSでも有名人。トチり多いけど上手いですよ。 28.BEATITUDE 29.スパークリング・ジェントルマン まだまだ唄い足りないとばかりの石原さん弾き語り。うん、この曲のコードを知っているのは あなただけだ!。 暫くしてアンコール。バイオリンを担当してるふくみちゃん。くじらさんの手癖まで完コピ!。 それでもって18歳ってんだから、この先楽しみな娘です。 30.Acid Moonright〜 31.百合コレクション ラスト、敏いとうと 32.HAPPY/BLUE '95 マイナーなギャグなのでヤヤウケ(^^)。かくしてライブの方は終了した。本物を魅了する すばらしいライブでした。ビザール(予期せぬ)ゲストもあったしね。 矢沢永吉がファンに「永ちゃんは一生永ちゃんのライブを見れないから不幸だ」なんて言われた 事があったが、架空楽団を見れるムーンライダーズとあがた森魚はなんて幸せなんだろう。 慶一「我々が解散してもやり続けてほしい」まさに!。 ライブ終了後、僕等は出ていく人にフリーペーパー「ACID MOON」を配るために出口に。 数枚配り終えたところで会場ではサイン会が繰り広げられているとの情報をキャッチ!。何〜!?。 躊躇してたのは間違いだ。僕は渋谷界隈でGETしたかしぶちさんのソロ「fin」を持って かしぶちさんにサインを貰いに行った。友人が写真を撮ってくれるというので一緒にお願いした。 言ってはみるもんですね。かしぶちさん顔ひきつっていたけど撮らしてくれました。 一時退場し、再びクロコダイルで架空楽団メンバーを交えての打ち上げ!。 黒瀬「ここで友達作らんかったら家で独りぼっちだぞー」はシャレになってない(^^;。 お酒を飲みながらの歓談、会いたかった人、ここで知り合えた人、いろんな方とお話している うちに2時になってしまった。クロコダイルを出て、2次会の場所を探しに。 終電も無いし、残っている人間はゆうに30人を越えていた。しかしお盆の最終日で日曜日の深夜、 開いているお店はカラオケ屋くらいしかない。無理もない。カラオケ屋を求めての民族大移動。 カラオケも、30人いっぺんに入る所なんてあるわけない。大所帯の部屋、語りの部屋、 ACIDの部屋と3つに別れて朝までカラオケ!。僕はACIDの部屋へ。 「お時間あと5分です。」 寝る間もなく楽しかった。予想していた通り、僕にとって今年一番のライブそしてイベントでした。 皆との再会を誓い始発で帰った。終着駅で駅員に叩き起こされてしまったのは言うまでもない。